■狭小間口での設計


狭小間口での設計施工例

こちらの狭小間口の物件を設計させていただく以前に
3.3Mの間口の家や3階建て狭小間口の住宅などの実例もあったので
私としてはその依頼はさほど驚きもしませんでした。
でも、敷地を見たとき改めて狭小間口の難しさを知る事になったのです。
今回の敷地は解体のときに隣の家の壁をふさがなければならない。
要するに家が繋がっている状態だったのです。



北に道路が面しており、想像通り電線は道路の上空を覆っていました。
東西は隣地というよりはどこが境界かはっきりしない・・・
境界線を確定する以前にどのような幅のものを建築するのか
確定していかなければなりません。
確定に当たっては施工可能か?という事がポイントになります。
隣との間にどのぐらいの隙間があれば施工できるのか?



住むご家族からすれば敷地目いっぱいに建てたい
施工する側とすれば足場のスペースや配管するスペース、
そして現実的に人が入れる幅、
メンテナンスする事のできる隙間が必要になりました。
この隙間の寸法というのも決まりごとはありませんので
東側は単管足場が組める寸法にして配管ができるようにしました。
西側は目いっぱい寄せながら後からメンテナンスぐらいは
できる寸法に設定して、押し壁工法で計画しました。



押し壁工法は聴きなれない言葉ですが、
壁材や窓など外壁部分までをあらかじめ施工して
クレーンで壁ごと押して移動して施工する方法です。
隙間に入って作業しなくて済むのがメリットです。



施工可能であれば何でも良いのか?
それでは設計事務所に依頼するメリットがあるとはいえません。
メーカーの3階建て住宅でも良いじゃないですか・・・



今回のプランは2階をリビングに設定しましたが
リビングへの光を十分に入れることと
天井を高くすることで開放感を得るプランニングとしました。
リビングの天井をだんだん南へ高くして高窓を設けたのです。
その分3階の部屋はスキップフロアで段差になり
空間にメリハリができるということでさらに面白みが増しました。



そして、1階の部分はほとんどがガレージと玄関になりそうだったので
1階に作った南の部屋へロフトを作ってさらに空間の利用価値を高めました。
左右も南も建物に囲まれ、北にはビルトインガレージ
この場合の解決方法は上から光を降り注がせるしかない。
光の降り注ぐプランニングは必要があって生まれました。



狭小間口での家の設計:信太淳英

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