■平屋の設計・施工例


平屋の住宅の魅力はなんといっても2階が無いこと
土地の有効利用としてはいかがなものかとも思うのですが
反面、土地を贅沢に利用するならば平屋ということになります。
今回はガランドウ設計の平屋をご紹介します。

長久手の平屋を訪れてまず思ったのが
非常に自然で無理の無いプランであったこと。
建て主が高齢であったこともあるのですが
奇抜な所が無く落着いた雰囲気に仕上がっていました。
各部屋はリビングを中心にどこにでも行きやすいようになって
繋がっており縁側も、リビングには掘りごたつまであります。



玄関ホールから木の格子引き戸をあけると
想像以上のナチュラルモダンな居間がありました。
驚いたのは外からは分からなかった内部空間の明るさ
そして天井が高く取れているために広く感じることです。
光が高い所から降り注ぐ様は住宅以外の神々しい建物にも見えます。




色合いや素材感は決して緊張感のあるモダンなものを
押し付けるように作られてはいませんでした。
かといって古く暗い、じめじめした空間がつくられていません。
木の割合がこれ以上多くなれば
もう少し湿った空間になっていたかもしれませんが
家具を含めてちょうど良い割合の自然素材の量だと思います。


平屋 外観 1

平屋というと和風を想像してしまうのですが
長久手の平屋はベタな和風と違っていました。
雨風に耐えられるようなモダンな外壁材を使用していたので
すぐ腐ったり変色する材料ではありませんでした。
形の割りに手入れの少なくてすむ最近の住宅の
よい所をとりいれていたのです。
設計者の思いだけ重視するのであれば違っていたのかもしれません。
作並が住み手に対しての気配りをしたのを感じました。



和室と続き間のリビングは人が大勢来ても
十分に収容力のあるスペースになっています。
でも、普段使えない部屋ではいけませんから
実用性のあるリビングは大きなテレビも置けなくてはいけません。

正直掘りごたつを見たときは
「なぜこのリビングにこたつなのだ?」
と思ったのですが自分が住むのだったら
冬はこの方が暖かそうで良いのかもしれないと思いました。
後からおばあちゃんがいつもここにいるのだと聞いて
プラン上必要不可欠なものだったのだと知りました。

腰に貼られた板は汚れや傷防止に設けられたものですが
全体の割合からすると梁とも調和して
白い壁の方が多く配置されているので明るく感じます。
高窓はガラスで仕切られ
各部屋に光が廻り込んでくるのが目で見えて快適です。



仏間や床の間などがあって
続き間の8畳間が二つある。。。とうのは
要望はあってもなかなか最近お目にかかれません。
ゆったりした縁側もついているとなればさらに希少な感じもします。

本来どこの家にもあったような間取りなのですが
和室の続き間はよくある風景ではなくなってきています。
こうして完成した住まいに続き間があるとちょっと安心したりします。
田舎に行くと大広間にテーブルを並べて
大人数で食事をしたり、法事もできるというのが
大事な文化なのだなあと気づかされる思いです。



トイレはゆったりと大きく作るのが
年齢を重ねても長く使える間取りですね。


平屋 外観

最近では構造的に軽量化を図って耐震性を向上したり
屋根の耐久性を重視することから
ガルバニウムの屋根材が増えました。
いぶし銀の瓦は少しはなれて家を見ないと見えないのですが
古きよき日本の家という感じがして
瓦もありだなと思いました。

平屋だと屋根が見えやすく美しく見えますね。


長久手の平屋
設計:作並義彦
ガランドウトップページへ